今か、それとも...2万6000年後か
文:Dr. Paul E Cizdziel
今回はC/2023-A3土山アトラス彗星を紹介しましょう。この彗星はここ数年では最も明るい彗星の一つですが、空中の位置と夏のひどい曇天のため、これまで東日本では見えませんでした!
これは秋の天候の到来と彗星が太陽の周りを旋回した後、すぐに変わりそうだ。10月14日頃(最も明るい)から、夕方(〜6時)、西に沈む太陽を追いかけながら、私たちに見えやすくなるはずだ。
彗星の明るさを正確に予測することはできないが、10月中旬には伊豆や三浦半島(城ヶ島!)のような空の暗い場所からでも肉眼で見えるかもしれない。双眼鏡があると便利だ。また、スマホやデジカメ(三脚使用)なら、首都圏からでも長時間露光で撮影できる可能性が高い(光の加減で1/4~1秒を目安に)。この彗星や今後の彗星を夜空で見つけるために、スマートフォンのアプリ「VIXEN COMET BOOK」(無料)をダウンロードすることをお勧めする。
彗星は太陽系の最果てから飛来する氷や塵、岩石の破片でできており、時折他の天体と衝突して太陽に向かう軌道を変更する。軌道は非常に細長い(双曲線と呼ばれる)。ある有力な説によれば、地球の水はすべて、惑星史初期の数十億年の間に、近くを通過する彗星や衝突によってもたらされたものだという。今年の土山アトラス彗星との遭遇の後、彗星は約26,000年後に再び地球にやってくる。
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サイエンスアドバイザー Dr. Paul E. Cizdziel からのメッセージ
Laurus Internaitonal School of Science初中等部のキャンパス内にある「Ad Astra ルーム」は、主に宇宙科学に関する教育に特化した学習スペースです。宇宙科学は、これからの時代に欠かせない分野であり、教育の中でもますます重要性を増しています。<br><br>この分野には、私のようなアマチュアの天体写真愛好家から、航空宇宙工学、政府機関、研究機関、さらには急成長を遂げ、多くのチャンスが広がる商業宇宙産業まで、幅広い領域が含まれます。<br><br>このブログでは、そうしたさまざまな分野の最新トピックについて、生徒や保護者の皆さんが興味を持てるような情報を定期的に発信していきたいと思います。