赤ちゃんの英語はいつから?0歳から始める意味と方法
「英語は早いほうがいいと聞くけれど、赤ちゃんのうちから本当に意味があるのだろうか」「英語のCDを流しているものの、これで身についているのか分からない」——生後まもないお子様を育てる中で、こうした問いに立ち止まる保護者の方は少なくありません。
実際、赤ちゃんの英語はいつから始めるとよいのかを調べると、生後2〜3ヶ月説、6〜8ヶ月説、1歳を過ぎてから説と、いくつもの答えが並びます。情報が多いほど、かえって判断が難しくなるのも自然なことです。
この記事では、乳児の言語発達に関する研究をもとに、0歳から始める意味を整理します。あわせて、開始月齢よりも結果を左右すると分かってきた「ある条件」と、月齢別に家庭でできること、教室を選ぶ視点までをご紹介します。
この記事では
赤ちゃんの英語はいつから?月齢別の目安
まず、月齢ごとの発達の特徴と、各段階における英語への取り組み方についてまとめました。
| 年齢(月) | 発達上の特徴 | 英語とどう向き合うか |
|---|---|---|
| 0–3 | 聴覚が急速に発達し、抑揚のある語りかけを好む | 歌や語りかけに英語を少し混ぜる程度で十分 |
| 3–6 | 声や表情への反応が豊かになり、喃語が始まる | 歌や、掛け合いが行われる手遊びを通じて |
| 6~12 | 音の聞き分けが母語向けに最適化されていく | 対面で英語を使う機会が活きる |
| 12~18 | 音と意味が結びつき、指さしが増える | やりとりのある場(親子クラス等)が効果的 |
「何ヶ月から」に、ひとつの正解はありません。説が分かれるのは、研究ごとに注目する能力(音の聞き分け/語彙/文法)が違うためです。一方で複数の研究が一貫して示すのは、始めた月齢よりも「どう触れるか」が結果を左右するという点です。
発達科学が示す、0〜1歳という時期の意味
生後6〜12ヶ月に起きる「音の絞り込み」
ワシントン大学の学習・脳科学研究所(I-LABS)を率いるパトリシア・クール教授が学術誌『Neuron』にまとめたレビュー(2010年)によれば、生まれたばかりの赤ちゃんは世界中の言語の音の違いを聞き分ける力を持っています1。
ところが生後6〜12ヶ月にかけて、母語の音への感度が高まる一方、母語にない音の区別は次第に鈍くなります。実際、日本語環境で育つ乳児が英語の /r/ と /l/ を聞き分ける力はこの時期に低下し、逆に英語環境の乳児では向上することが報告されています。クール教授はこれを「神経の専門化(neural commitment)」と呼び、身近な言語のパターンに脳が効率よく適応する発達上のプロセスだと説明します。1。
その意味で、生後0~1年は、多様な言語の音に最も開かれている時期と言えます。
「1歳を過ぎたら遅い」わけではない
ただし、その時期を逃すと英語が身につかない、という話ではありません。第二言語習得の臨界期仮説をめぐる研究レビュー(南山大学・鹿野, 2018年)は、「◯歳までが唯一の臨界期」という単純な見方は支持されにくく発音・語彙・文法など能力の種類ごとに敏感な時期が異なると整理しています。文部科学省(MEXT)の資料でも、外国語として英語を学ぶ環境では明確な臨界期は確認されていないとされています⁴。
言葉の発達には個人差があり、同じ月齢でも反応はお子様それぞれです。急ぐよりも、ご家庭のペースで無理なく続けられる形を選ぶことのほうが、長い目で見て意味を持ちます。
「聞き流し」だけでは伸びにくい——研究が示した条件
赤ちゃんの英語を調べる保護者の方が最も気にされるのが、聞き流し教材や動画の効果です。この問いには、比較的はっきりした研究結果があります。
録音・映像では学習が起きなかった実験
クール教授らが米国科学アカデミー紀要(PNAS, 2003年)に発表した研究では、英語環境で育つ生後9ヶ月の乳児に、中国語(北京語)に触れる機会を12回設けました。
生身の中国語話者と対面でやりとりしたグループは、中国語特有の音の聞き分けができるようになりました。ところが、まったく同じ音声を録画映像や音声だけで聞いたグループでは、学習の効果が確認されませんでした。クール教授はこれを「social gating(社会的ゲーティング)」と呼び、人とのやりとりが乳児の言語学習の扉を開く鍵になると説明しています。レッスン中にどれだけ相手と関わっていたかの度合いが、音と単語の学習を予測したことも報告されました12。
「聞いた語数」より「やりとりの往復」
マサチューセッツ工科大学とハーバード大学の研究チームの調査(Romeo ほか, *Psychological Science*, 2018年)も同じ方向を示します。家庭の言語環境を録音で記録し、脳の言語野(ブローカ野)の活動と言語テスト成績を分析したところ、子どもが聞いた総語数よりも、大人と子どもの会話の「往復(conversational turns)」の回数のほうが、言語能力とも脳の反応とも強く関連していました。Psychological Science, 2018)この関係は、世帯収入や保護者の学歴とは独立して確認されています。
言葉を育てるのは、浴びせる音の量ではなく、応答のある対話である——2つの研究が示すのは、この一点です。
動画・音源との付き合い方
では英語の動画は使わないほうがよいのか。参考になるのが公的機関の指針です。米国小児科学会(AAP)は、生後18ヶ月未満はビデオ通話を除きスクリーンメディアを推奨せず、18〜24ヶ月では質の高い内容を保護者が一緒に見て説明することを勧めています。世界保健機関(WHO)も、1歳未満は座ったままのスクリーン視聴を避け、1〜2歳は1日1時間以下を目安としています
英語の動画に価値がないという意味ではありません。流しっぱなしにするのではなく、隣で一緒に見て声をかける材料として使う――研究と指針が共通して示すのは、この使い方です。
0歳から家庭でできること——月齢別の実践
0〜6ヶ月:歌と語りかけから
特別な教材は必要ありません。抱っこしながら英語の歌を口ずさむ、おむつ替えのときに "All done!" と声をかける。それだけで十分な入り口になります。
音楽的な関わりの効果は研究でも示されています。生後8.5〜18ヶ月の乳児64名を対象とした調査(Papadimitriou ほか, *Infant Behavior and Development*, 2021年)では音楽的な関わりの効果は研究でも示されています。生後8.5〜18ヶ月の乳児64名を対象とした調査(Papadimitriou ほか, *Infant Behavior and Development*, 2021年)が報告されました。歌は、音とやりとりが同時に届く自然な形式なのです。
6〜12ヶ月:反応が返る遊びへ
音の聞き分けが絞り込まれていく時期です。赤ちゃんの反応に応答を返すことがポイントになります。
- 「いないいないばあ」――表情と声がセットになり、やりとりの往復が生まれます
- 1日1冊の英語の絵本――本を読み終えること以上に、「Yes, that's a dog!」と応じることを大切に
- 日常のひとこまにまつわる短い言葉――「Up?」「More?」――のように、行動とセットで
保護者の方の英語力は問われません。発音が完璧でなくても、応答があること自体が学びを支える――というのが、先の研究の示すところです。
12〜18ヶ月:意味とやりとりが結びつく
指さしや身振りが増え、音と意味がつながり始めます。同年代のお子様と過ごす場や、ネイティブ講師と直接やりとりできる場の価値が高まる時期です。家庭では "Open please." "All done." のような短い言葉を、実際の場面と一緒に繰り返すとよいでしょう。
「日本語が遅れるのでは」という不安について
バイリンガル研究のレビューによれば、乳幼児期から英語に触れることが日本語の語彙発達を遅らせるという強い証拠は、現時点では確認されていません。むしろ注意したいのは、英語の音源を流す時間が増えた結果、日本語での親子の会話そのものが減ってしまうケースです
日本語も英語も、土台にあるのは同じ「やりとり」です。日本語での語りかけを大切にしながら英語の時間を足していく順序であれば、両方の言語を無理なく育てていくことができます。
親子で通う英語クラスを選ぶ3つの視点
研究が示す条件をふまえると、教室選びの軸も見えてきます。
- 講師と一人ひとりがやりとりできる人数か— 学習を支えるのは応答のある関わりです。月齢の低いお子様ほど、少人数かどうかが効いてきます
- 保護者が一緒に参加できるか— 人見知りや後追いの時期でも安心して過ごせ、家庭での関わり方を持ち帰れます
- その先に続く道があるか――単発で終わるのか、プリスクールなど次の環境につながっているのかで、英語に触れ続けられるかが変わります
合うスタイルはご家庭の方針やお子様の性格によって異なります。見学や体験の機会を使い、実際のお子様の反応を確かめて選ぶことをおすすめします。
ローラスの親子英語教室での取り組み
ここまでご紹介した「対面でのやりとり」「歌とリズム」「保護者と一緒に過ごす時間」。これらを一つのレッスンとして形にしているのが、ローラスインターナショナルスクールオブサイエンスの親子英語教室(Mother and Toddler Program)です。
対象は生後10〜18ヶ月のお子様と保護者の方。1回45分・少人数のオールイングリッシュのクラスで、経験豊かなネイティブ講師が一人ひとりに向き合います。歌や手遊び、絵本の読み聞かせに加え、身のまわりの不思議に手を伸ばすサイエンスの体験を英語で行う点が、サイエンスを教育の切り口とするローラスならではの特色です
親子クラスは、ゴールではなく、出発点として設計されています。ここから、学びの道は プリスクール (生後18ヶ月から)、キンダーガーテン、そして小学校部12まで続きます。現在、東京と神奈川の6校(文京、白金台、自由が丘、武蔵小杉、武蔵新城、月島)で開校しており、単発の体験レッスンも受け付けています。
プリスクール についての選択肢については、「プリスクールとは?――保育園や幼稚園との違い」をご覧ください。
まとめ
赤ちゃんの英語をいつから始めるかについて、研究が示す答えはシンプルです。0〜1歳は多様な言語の音に開かれた時期であり、この時期に英語の音に触れる意味は確かにあります
より大切なのは、何を流すかではなく、誰とどうやりとりするかでした25。歌、語りかけ、絵本、そして人と向き合う時間。ご家庭で始められることは月齢を問わずたくさんあります。
ローラスでは、生後10ヶ月から参加できる親子英語教室と、学校見学や説明会も随時実施施しています。お子様が英語の歌にどんな反応を見せるか、実際の様子をご覧いただける機会としてお気軽にご利用ください。
Q&A よくある質問
8つの質問始められます。生後6〜12ヶ月は母語にない音への感度が変化していく時期にあたり、英語の音に触れる意味は研究上も説明できます。ただし「6ヶ月を過ぎたら遅い」ということではなく、やりとりを伴う触れ方を続けられるかが大切です。
唯一の正解はありません。生後すぐの語りかけや歌から始めるご家庭もあれば、反応が豊かになる6ヶ月頃から本格化するご家庭もあります。教室に通う場合は、人への関心が育つ10ヶ月前後から参加できるクラスが一般的です。
親子で参加する英語クラスの多くは生後10ヶ月前後から受け入れています。ローラスの親子英語教室も生後10〜18ヶ月が対象です。保護者の方が同伴するため、人見知りの時期でも参加しやすい形式です。
聞き流しだけでは効果が出にくいことが、生後9ヶ月児を対象とした研究で示されています。対面でやりとりしたグループでは音の学習が起きた一方、同じ音声を録音・映像で聞いたグループでは効果が確認されませんでした。音源は一緒に歌ったり声をかけたりする材料として使うと活きてきます。
問題ありません。研究が重視しているのは発音の正確さではなく、応答のあるやりとりの回数です⁵。保護者の方は日本語で語りかけ、英語の音はネイティブ講師や歌から届けるという分担でも成り立ちます。
乳幼児期の英語環境が日本語の語彙発達を遅らせるという強い証拠は確認されていません 10。ただし日本語での親子の会話が減る使い方は避けたいところです。日本語の語りかけを保ちながら英語の時間を足す形が、両言語のバランスを保ちやすくなります。
言語発達上の不利は報告されていませんが、注意点はあります。スクリーンを長時間使う方法は乳児期には推奨されておらず⁷⁸、成果を急いでお子様の様子より進度を優先することも避けたい点です。発達には個人差がありますので、お子様が楽しめているかを基準に判断されることをおすすめします。
- 言語の初期獲得における脳のメカニズム — パトリシア・K・クール、『Neuron』、2010年 ワシントン大学 I-LABS · 『Neuron』(2010年)
- 乳児期の外国語体験:短期的な接触と社会的相互作用が音韻学習に及ぼす影響 — Kuhl, Tsao & Liu, PNAS, 2003 Kuhl, Tsao & Liu · PNAS (2003)
- 第二言語習得における臨界期仮説の検討 — 南山大学(鹿野みどり、2018年) 南山大学(2018年)
- 外国語教育における臨界期に関する資料 — 文部科学省 文部科学省・中央教育審議会
- 「3,000万語のギャップ」を超えて:子どもの会話への接触は言語関連の脳機能と関連している — Romeoら、『Psychological Science』、2018年 Romeoら・『Psychological Science』(2018年)
- やり取りの繰り返しは、言語に対する子どもの脳の反応を高める — MIT News、2018年 MIT News (2018)
- 「メディアと幼い心(乳幼児のメディア利用に関する方針声明)」— 米国小児科学会、2016年 米国小児科学会(2016年)
- 5歳未満の児童における身体活動、座りがちな行動および睡眠に関するガイドライン — 世界保健機関(WHO)、2019年 世界保健機関(2019年)
- 家庭内の音楽環境が乳児の言語発達に与える影響 — Papadimitriou ら、『Infant Behavior and Development』、2021年 Papadimitriouら・『Infant Behavior and Development』(2021年)
- 乳幼児期の英語環境教育は日本語の語彙発達を遅らせるのか — バイリンガル・サイエンス研究所 バイリンガル・サイエンス研究所
- プリスクール 公式サイト) —ローラス インターナショナルスクール オブ サイエンス Laurus ·プリスクール
- プリスクール —ローラス インターナショナルスクール オブ サイエンス Laurus ·プリスクール
- 学校見学・説明会 —ローラス インターナショナルスクール オブ サイエンス ローラス・スクール見学

