「インスピレーションを与える教師たち」:Kevin Buckley(副校長兼サイエンスヘッド)

ローラス中高等部では、Kevin Buckley氏が副校長兼サイエンスヘッドを務め、穏やかで協調性のあるリーダーシップをもって生徒と教員の両方を支えています。同氏は、高い期待、一貫性、そして生徒一人ひとりへの真摯な思いやりを土台とした、強固な学習文化の構築において重要な役割を担っています。

Kevinは、生徒たちが自信を持って質問し、新しいことに挑戦し、成長できる、互いを尊重し支え合う学習環境づくりに尽力しています。彼のリーダーシップにより、ローラスのサイエンス教育プログラムの充実だけでなく、より広範な中高等部全体のコミュニティの発展に大きく貢献しています。

Q. ご自身について。また、どのようにして教師の道に進み、最終的には指導的立場に就くことになったのか、少しお聞かせいただけますか?

A: 私が初めて教える経験をしたのは、2002年に日本で英語教師として働いた時でした。教えることに魅力を感じ、イギリスで理科教師としての資格を取得し、その後8年間教鞭をとりました。2014年には、ストックホルムにあるブリティッシュインターナショナルスクールのサイエンスヘッドに就任しました。

Q. 現在は副校長として学校全体をリードされるとともに、サイエンスヘッドも務めていらっしゃいます。まず、理科の道に進もうと思ったきっかけを教えてください。また、そこから現在に至るまでのキャリアについてもお聞かせください。

A: 私がサイエンスに魅力を感じたのは、社会に良い影響を与え、変化を生み出すことができる分野だと感じたからです。そして、その思いこそが、私が教育の道に進んだ根底にある理由でもあります。生徒たちの成長を支え、将来社会に貢献できる力を育むことに大きなやりがいを感じています。 

Q. これまでさまざまな教育現場で経験を積まれてきた中で、ローラスで働くことを決めた理由を教えてください。

A: ローラスに惹かれたのは、サイエンスに特化した独自の教育理念と、現在も発展を続けている成長段階の学校であることです。著しい学校であるという点です。前任校では、初等部のみだった学校が、最終的にはIB課程を提供する一貫校へと発展させる過程に携わりました。そのような道のりを形作る一翼を担えることは、非常にやりがいを感じます。
ローラスにも同様の可能性を感じ、この成長の歩みに貢献したいと考えました。
 

Q. ご自身の指導スタイルを3つの言葉で表現するとしたら、どのような言葉を選びますか?また、その理由も説明してください。 

A: 敬意を持ち、協力し合い、支え合う。  

私は、生徒同士が互いを尊重し、協力しながら学べる教室づくりを大切にしています。また、自分の考えを安心して発言でき、失敗を恐れず挑戦できる環境を整えることを心掛けています。 良き聞き手として生徒一人ひとりに向き合い、誰もが受け入れられる環境をつくることで、生徒たちの自信やレジリエンスを育んでいます。そして、学習面・行動面の両方で高い期待を持ちながら、生徒たちが積極的に挑戦し、困難な経験から学び成長できるよう支援しています。 

Q. 中等教育を受けるすべての生徒が、教育を通じて得られるべきものとは何だと思いますか?

A: 適切な姿勢と十分な努力をもって学習に取り組む限り、自分の真の可能性を引き出すチャンスが得られる 。 

Q. サイエンスに対して苦手意識や難しさを感じる生徒もいると思います。そうした中で、すべての生徒が自信を持ち、好奇心を持って学べるようにするために大切にしていることは何でしょうか。

A: 私はまず、生徒たちが安心して質問し、失敗からも学べるような、温かく包容力のある学習環境づくりを大切にしています。また、難しいサイエンスの概念は分かりやすいステップに分解し、日常生活に関連する具体例を取り入れることで、生徒たちが学びの意義を実感できるよう工夫しています。
さらに、正解にたどり着くことだけでなく、その過程での努力や挑戦を評価し、協働して学ぶ機会を多く設けることで、自信と好奇心を育んでいます。そうすることで、生徒たちは科学を単なる教科としてではなく、身の回りの世界を理解するための興味深いツールとして捉えられるようになるのです。

Q. あなたにとって、素晴らしいサイエンスの授業とはどのようなものですか?その様子を具体的に教えていただけますか?

A: 優れた授業に唯一の正解はありません。大切なのは、生徒にとって質の高い学びが生まれていることです。必ずしも派手な活動や特別なパフォーマンスが必要なわけではありません。私が考える優れたサイエンスの授業とは、落ち着いた環境の中で明確な学習目標が共有され、生徒たちが主体的に学びに取り組んでいる授業です。
生徒たちは単に知識を受け取るだけではなく、自ら質問し、意見を交換し、実験や実社会に関連した課題に取り組みながら理解を深めていきます。そのような主体的な学びこそが、本当の意味での良い学習につながると考えています。 

Q. これまで長年にわたって理科を教えてこられた中で、何度教えても面白いと感じる単元や分野はありますか。また、その魅力について教えてください。

A: おそらく遺伝学と遺伝の分野です。多くの人は、「自分らしさはどこから来るのか」「なぜ家族と似た特徴を持っているのか」といったことに強い関心を持っています。遺伝学は、そうした身近な疑問に科学的な視点から答えることができる非常に興味深い分野です。生徒たちも自分自身や家族とのつながりを考えながら学べるため、関心を持ちやすく、毎回新鮮な気持ちで教えることができます。 

Q. サイエンスが大好きでさらに深く学びたいと考える生徒もいれば、苦手意識を持つ生徒もいます。そうした幅広い学習者に対して、それぞれどのような働きかけをされていますか。

A: 私は共通の学習目標を設定し、すべての生徒が学ぶべき重要な内容にアクセスできるようにしています。その上で、サイエンスに強い関心を持つ生徒には、より深く考えるための問いやオープンエンドな課題を提供し、知的な挑戦の機会を設けています。一方で、サイエンスを難しく感じる生徒には、具体的なモデルや段階的なサポートを用いて理解を支援します。
大切なのは、生徒一人ひとりが適切なレベルで挑戦しながらも、十分なサポートを受けられていると感じることです。そうした環境の中で、すべての生徒が自信を持って学び、成長していけると考えています。 

Q. Donna van Heyningen校長と共に、中高等部全体を統括する中で、最もやりがいを感じていることは何ですか?

A: Donnaは素晴らしい同僚であり、いつでも親身になってアドバイスやサポートをしてくれます。生徒たちはもちろん、先生方がそれぞれの役割の中で成長していく様子を見ることに大きな喜びを感じています。また、同僚の先生方から学ぶことも多く、その学びを自分自身の授業や指導力の向上に活かしています。
教師という仕事は、教える立場でありながら、同時に学び続ける立場でもあります。私たちは常に新しいことを学び、成長し続けているのです。 

Q. ローラスのSLT(シニアリーダーシップチーム)が、ローラスにおいて、サイエンス部門でも、あるいは学校全体でも、いかにして強固な学習文化を継続的に築き上げているか、具体的な例をいくつか教えてください。

A: ローラスのSLTは、質の高い教育と学びに対する明確な基準を示すだけでなく、自らがその実践者となることを大切にしています。例えば、定期的な授業観察や教職員同士の対話、目的を明確にした研修を通じて、評価のためではなく成長のための振り返りを促し、授業の質を継続的に高めています。また、生徒指導や評価、カリキュラム運営における一貫性を重視することで、生徒も教職員も安心して挑戦できる落ち着いた学習環境を築いています。そうした文化の中で、誰もが高い目標に向かって努力し、学び続ける姿勢を育めるよう取り組んでいます。

Q. 思春期の生徒たちの信頼を得るために、教師として心掛けていることを教えてください。

A: 私は、中高生が特別に信頼を得にくいとは考えていません。彼らは幼い子どもたちよりも年齢を重ね、自分なりの考えや価値観を持っているだけだと思います。信頼関係を築くうえで重要なのは、一貫性、公平性、そして相手への敬意です。私は生徒たちに対して期待することを明確に伝える一方で、一人ひとりの話に耳を傾け、約束したことは必ず実行するよう心掛けています。
生徒たちが「自分は尊重されている」「安心して学べる」と感じられることで、自然と信頼関係が生まれます。そして、その信頼が築かれると、中高生は非常に主体的で好奇心旺盛になり、自らの学びに責任を持って取り組むようになるのです。

Q. ご自身は、ローラスのどのような点が学ぶ場として、そして働く場として特別だと感じていますか。

A: ローラスの魅力は、高い教育水準を追求する姿勢と、生徒や教職員一人ひとりを大切にする温かな文化が共存しているところにあると思います。学校には明確な方向性を示すリーダーシップがあり、学習や行動に対する期待も一貫しています。また、教職員同士が協力し合う風土が根付いているため、落ち着いた中にも目的意識のある学習環境が実現されています。
そのような環境の中で、生徒たちは安心して挑戦しながら成長することができますし、教職員も信頼され、成長を促され、自分の存在価値を実感しながら働くことができます。そうした点が、ローラスを学びの場としても働く場としても特別な存在にしているのだと思います。 

Q. 生徒たちがあなたのことを知らないことで、彼らを驚かせるようなことは何ですか?

A: 私はギターを6本所有していて演奏もします。また、以前は髪を長く伸ばしていて、バンド活動もしていました。

Q. 現在、サイエンスに限らず、どんなことに夢中になっていますか?

A: 実はかなりの音楽好きで、ギターや音楽制作、曲作りの話になると、つい熱く語ってしまいます。そういう意味では、少し“オタク気質”かもしれませんね。

Q. もし10年後に、生徒たちが先生のサイエンスの授業を振り返る機会があったとしたら、どのような学びや価値観を覚えていてほしいと願いますか。 

A: できれば良い思い出と、生物学への興味を持ち続けていてくれたら嬉しいですね。そして、学校の備品は持ち帰っていないことも(笑) 

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ローラス卒業生:英語との出会いが世界への扉を開いた

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